2014.03.23 Sunday
アルファプロジェクトのボードでマイコン交換
ただいま、アルファプロジェクトのボード AP-SH2-6A (SH7269)ボードで開発をしています。
このボードは 電源が5Vのボードです。ところが誤って10Vをかけてしまい、あえなく動かなくなりました。
仕様を確認すると、アルファプロジェクトのAP-SH2-6Aは 5V±5%しか許していません。
壊れたので仕方がない、買い換えるかなと考えていましたが、1枚税別で24000円なので、ちと痛いということもあり、部品の交換で済むかチャレンジしてみることとしました。
で、もう一度、過電圧をかけてみて、どうなるか見てみたのですが、
電源に過電圧をかけると3.3Vの出力が 3.6V程度にまであがっているのが測定できました。
マイコンが3.6Vになって死んだのかもしれません。あるいは USB関連のポートから逝ってしまったのかもしれません。
そんな実験をしていたら、 5V→3.3VのICを壊してしまいました。とほほほ
5Vと3.3Vの電源を切り離して、3.3Vを供給。ここで JTAGを接続してもマイコンと接続できません。
マイコンが死んでいることは確実でしょう。
FlashROMやSDRAMも可電圧をかけたことで、壊れてしまっているかもしれませんが、取り合えず
SH7269マイコンと先ほどこわしてしまった 電源ICを交換しなければなりません。
◆マイコン交換編
まず マイコンを取り外します。
0.5mmピッチの256pinなので、これだけでかいICを取り外したことはありません。
今回はハンダこてを使わずに、ヒートガンで熱を加えて、ハンダを溶かしてICをとることとしました。
まずは、マイコン周りをスコッチテープで覆い保護します。
これはヒートガンからの熱風でマイコン以外の部品のハンダも溶けるため、ちょっとしたことで位置がずれてしまいます。これを防ぐために行います。
つぎに、マイコンのピンにハンダを山盛りにします。
これでヒートガンで熱を加える人と、ICを持ち上げてずらす人で二人一組の作業となります。
ここでは、時間をかけてじっくりと待ちます。
熱を加えるとパターンの銅箔ももろくなるので、力を加えるのは厳禁。ゆっくり慎重にICを持ち上げていきます。
この作業は写真が取れていませんが、なんとか、マイコンを取り外すことができました。パターンも全部無事でした。
ここで、ハンダ吸い取りをきちんと行い。基板をきれいにします。
次に、マイコンを乗せます。このくらいになると、ちょっとずれると別の辺が大きくずれるということになるので、ルーペや顕微鏡できっちりと位置を合わせて、テープで固定します。
次にこのようにマイコンのPINをハンダで山盛りにします。
1ピン1ピン丁寧にハンダ付けする人もいるようですが、私の師匠のやり方を踏襲することとします。
大きめのC型の小手先のハンダこてで、重力と表面張力を利用して余分な半田を取ります。
鉛フリーハンダを使いますが、小手先の温度はいつもより高めに設定します。
ハンダは酸化しやすいので、新しいハンダを供給しつつ、余分なハンダをすばやく取ります。
時間をおくと、酸化してへんな粘りが出てきて、きれいに余分ハンダが取れません。
3.3Vラインに直接3.3Vを加えて、デバッガを接続したところ接続成功となりました。
ところがプログラムを動かしてみてもうまく動きません。
よくピンをルーペで見てみると、ブリッジになっているところを発見しました。
ブリッジしたところの余分ハンダを除去したところ、アプリケーションが正常動作するようになりました。
このとき3.3Vでの消費電流は100mA以下であることを確認しました。
この時点では 5V→3.3VのレギュレータICが破損しているため、5Vと3.3Vの二電源を供給しています。
さらに、5V単一電源の供給で済むように、3.3Vのレギュレータを何とかしたいと思います。
◆電源IC編
次は
5V→3.3VのコンバータICは
XC9223B082AR。TOREX のICで仕様を見るとかなり高性能です。
ところが残念なことに少量で販売しているところが見当たりません。
かといって、そのままのパターンでドンピシャのICはあるかもしれないけど、探す時間がありません。
先ほど3.3Vで直接動作したときに、電流も100mA程度というこてとで、三端子レギュレータで5V→3.3Vを実現することとしました。
まずは XC9223B082ARを外します。これは 3.3→1.2でも使っているので、間違えないように注意します。
マルツ電波で物色して ROHM の BA33BC0T を選定。これは LDOタイプです。
この足に入力、出力にそれぞれ 0.1uFのコンデンサをつけ、また、出力端子から入力端子に向けて保護ダイオードを配線します。
アルファプロジェクトのボードを見て、 5VとGNDのところに足をはめて、次に3.3V出力は先ほどのXC9223の出力にハンダ付けします。
ここで5Vを加えます。見事にLEDが点滅して正常に動作していることがわかります。
しばらく動作していますが、三端子レギュレータのBA33BC0T はほんのり暖かくなる程度で大丈夫と判断しました。
もちろん、過電圧をかけたボードで、今回のプロジェクトでは使わないけれど破損しているところがあるかもしれません。なので使うべきではないでしょう。
しかし、このボードは社内で開発・評価するものでお客さまに納品するものではないものということで、交換してみました。
24000円かかるところが ChipOneStopでのマイコンの入手で 3000円少々+1時間程度の作業時間で済みました。
JUGEMテーマ:電子工作
このボードは 電源が5Vのボードです。ところが誤って10Vをかけてしまい、あえなく動かなくなりました。
仕様を確認すると、アルファプロジェクトのAP-SH2-6Aは 5V±5%しか許していません。
壊れたので仕方がない、買い換えるかなと考えていましたが、1枚税別で24000円なので、ちと痛いということもあり、部品の交換で済むかチャレンジしてみることとしました。
で、もう一度、過電圧をかけてみて、どうなるか見てみたのですが、
電源に過電圧をかけると3.3Vの出力が 3.6V程度にまであがっているのが測定できました。
マイコンが3.6Vになって死んだのかもしれません。あるいは USB関連のポートから逝ってしまったのかもしれません。
そんな実験をしていたら、 5V→3.3VのICを壊してしまいました。とほほほ
5Vと3.3Vの電源を切り離して、3.3Vを供給。ここで JTAGを接続してもマイコンと接続できません。
マイコンが死んでいることは確実でしょう。
FlashROMやSDRAMも可電圧をかけたことで、壊れてしまっているかもしれませんが、取り合えず
SH7269マイコンと先ほどこわしてしまった 電源ICを交換しなければなりません。
◆マイコン交換編
まず マイコンを取り外します。
0.5mmピッチの256pinなので、これだけでかいICを取り外したことはありません。
今回はハンダこてを使わずに、ヒートガンで熱を加えて、ハンダを溶かしてICをとることとしました。
まずは、マイコン周りをスコッチテープで覆い保護します。
これはヒートガンからの熱風でマイコン以外の部品のハンダも溶けるため、ちょっとしたことで位置がずれてしまいます。これを防ぐために行います。
つぎに、マイコンのピンにハンダを山盛りにします。
これでヒートガンで熱を加える人と、ICを持ち上げてずらす人で二人一組の作業となります。
ここでは、時間をかけてじっくりと待ちます。
熱を加えるとパターンの銅箔ももろくなるので、力を加えるのは厳禁。ゆっくり慎重にICを持ち上げていきます。
この作業は写真が取れていませんが、なんとか、マイコンを取り外すことができました。パターンも全部無事でした。
ここで、ハンダ吸い取りをきちんと行い。基板をきれいにします。
次に、マイコンを乗せます。このくらいになると、ちょっとずれると別の辺が大きくずれるということになるので、ルーペや顕微鏡できっちりと位置を合わせて、テープで固定します。
次にこのようにマイコンのPINをハンダで山盛りにします。
1ピン1ピン丁寧にハンダ付けする人もいるようですが、私の師匠のやり方を踏襲することとします。
大きめのC型の小手先のハンダこてで、重力と表面張力を利用して余分な半田を取ります。
鉛フリーハンダを使いますが、小手先の温度はいつもより高めに設定します。
ハンダは酸化しやすいので、新しいハンダを供給しつつ、余分なハンダをすばやく取ります。
時間をおくと、酸化してへんな粘りが出てきて、きれいに余分ハンダが取れません。
3.3Vラインに直接3.3Vを加えて、デバッガを接続したところ接続成功となりました。
ところがプログラムを動かしてみてもうまく動きません。
よくピンをルーペで見てみると、ブリッジになっているところを発見しました。
ブリッジしたところの余分ハンダを除去したところ、アプリケーションが正常動作するようになりました。
このとき3.3Vでの消費電流は100mA以下であることを確認しました。
この時点では 5V→3.3VのレギュレータICが破損しているため、5Vと3.3Vの二電源を供給しています。
さらに、5V単一電源の供給で済むように、3.3Vのレギュレータを何とかしたいと思います。
◆電源IC編
次は
5V→3.3VのコンバータICは
XC9223B082AR。TOREX のICで仕様を見るとかなり高性能です。
ところが残念なことに少量で販売しているところが見当たりません。
かといって、そのままのパターンでドンピシャのICはあるかもしれないけど、探す時間がありません。
先ほど3.3Vで直接動作したときに、電流も100mA程度というこてとで、三端子レギュレータで5V→3.3Vを実現することとしました。
まずは XC9223B082ARを外します。これは 3.3→1.2でも使っているので、間違えないように注意します。
マルツ電波で物色して ROHM の BA33BC0T を選定。これは LDOタイプです。
この足に入力、出力にそれぞれ 0.1uFのコンデンサをつけ、また、出力端子から入力端子に向けて保護ダイオードを配線します。
アルファプロジェクトのボードを見て、 5VとGNDのところに足をはめて、次に3.3V出力は先ほどのXC9223の出力にハンダ付けします。
ここで5Vを加えます。見事にLEDが点滅して正常に動作していることがわかります。
しばらく動作していますが、三端子レギュレータのBA33BC0T はほんのり暖かくなる程度で大丈夫と判断しました。
もちろん、過電圧をかけたボードで、今回のプロジェクトでは使わないけれど破損しているところがあるかもしれません。なので使うべきではないでしょう。
しかし、このボードは社内で開発・評価するものでお客さまに納品するものではないものということで、交換してみました。
24000円かかるところが ChipOneStopでのマイコンの入手で 3000円少々+1時間程度の作業時間で済みました。
JUGEMテーマ:電子工作